婚姻障害事由の不存在
婚姻には民法に規定される婚姻障害事由(民法第731条から民法第737条)が存在しないことが必要である。婚姻障害事由のうち、民法第731条から民法第736条までの規定に違反した婚姻は不適法な婚姻として法定の手続に従って取り消しうる(民法第744条)が、民法第737条については誤って受理されるともはや取消し得ない(後述)。
- 婚姻適齢(民法第731条)
- 日本における婚姻適齢は男性は18歳以上、女性は16歳以上である。婚姻適齢に達しない場合は婚姻障害事由となり民法第744条により取り消しうる(不適齢者の取消しについては民法第745条に定めがある)。婚姻適齢に達した未成年者は婚姻できるが、未成年者の婚姻には一方の親の同意が必要である。未成年者は婚姻により私法上において成年者として扱われる(民法第753条)。通説によれば、この成年擬制の効果は年齢20歳に達する前に婚姻を解消した場合であっても失われないとされているので、初婚の解消後に再婚する場合には親の同意は必要とされない。なお、未成年者の婚約については、未成年者(婚姻適正年齢外)であるからといって結婚をする約束(婚約)は無効にはならないという判例(大正8年6月11日大審院判決)もあるため、高校生同士が結婚の約束をしていたことが証明されるにいたった場合には法的効力をもつ婚約としてみなされることがありうる。
- 重婚の禁止(民法第732条)
- 再婚禁止期間(民法第733条)
- 近親者間の婚姻の禁止(民法第734条)
- 直系姻族間の婚姻の禁止(民法第735条)
- 養親子等の間の婚姻の禁止(民法736条)
- 未成年者の婚姻についての父母の同意(民法第737条)
- 未成年の子が婚姻をするには、父母の同意を得なければならない。父母の一方が同意しないとき、父母の一方が知れないとき、死亡したとき、又はその意思を表示することができないときは他の一方の同意だけで足りる。この同意がない場合には婚姻障害事由に該当することとなり婚姻届は受理されないが、婚姻障害事由のうち民法第737条(父母の同意)は取消原因として挙げられていないため誤って受理されるともはや取消し得ない(民法第744条の取消原因に民法第737条が取消原因として含まれていないことに注意を要する)。